Transmetaついに身売り
こちらの記事によれば、低消費電力CPUで一世を風靡した(?)Transmetaがついに身売りするとのこと。しかも聞いたこともない独立系ファブレスチップメーカーに250億円程度って…
Crusoe発表時は興奮したものでしたけどねぇ。シンプルな命令を高速に処理するVLIWアーキテクチャの低消費電力かつ低発熱のCPUに「CodeMorphingSoftwear」と呼ぶX86エミュレーターをかぶせてモバイル向けX86CPUとして動作させるっていうアイデアはかなり僕の好みでした。やっぱりライナスが入社するような会社は違うなぁと思ったものです。
しかし、リリースのタイミングが最悪でした。Crusoeは実際のところは当時のIntelのモバイル向けCPUに対して、極端にパフォーマンスで劣っていたわけではないんです。でも、WindowsMEと1.8inchHDの登場と重なってしまった。結果、次々とメーカーからリリースされるCrusoeノートはどれもCrusoe+WindowsME+1.8inchHDという組み合わせになってしまい、その直前のPenM+Windows98or2000+2.5inchHDというノートと比べると、どうなってるの?というほど遅かった。Crusoeでは当時PCのグラフィックパフォーマンスのカギを握っていたAGPをサポートしていなかったのも痛かったですね。
当時、ある無線デバイス関連の仕事をしていた僕は、某国内メーカーから発売されたCrusoeノートの開発にちょろっとかかわっていました。ごくごく初期の試作機で、Crusoe+Win2000+2.5inchHDの構成で触った時の印象は結構良かったんですよ。少なくともストレスを感じるような動作ではなかった。それよりも、1kg程度の筐体に押し込んでファンレスでも、熱くならないはずという話しに驚いたんです。
でも、開発が進んでいよいよ目的の筐体に入って、Crusoe+WinME+1.8inchHDの構成になったら、なんじゃこりゃ?という状況に。メーカーの担当者も頭を抱えていましたが、結局それを極力チューニングしてリリース。結局遅いという評価が確立してしまいました。
実のところ、Crusoe後期やEfficeon搭載のノートでは、ビジネス用途で使う分には言われなくちゃ気がつかない程度にはパフォーマンスは改善していたんです。でも、結局一度ついた遅いというイメージを覆すことができませんでした。
同時にIntelのモバイル向けCPUもパフォーマンスを維持しつつ消費電力と発熱を下げていましたので、Transmetaの居場所はなくなってしまいました。当時、今のUMPCやMIDというコンセプトがあって、X86でも軽いOSを積んだモバイル機器があればもうちょっと違った展開になってしたかもしれないと思うと残念です。返す返すもタイミングが悪かった。
しかし、Crusoe以降のモバイル向けCPUの発展を見れば、今後のモバイル全盛時代に向けてTransmetaの果たした役割は小さくないと思います。Transmeta自体はその役割を終えたようですが、その名は忘れずにいたいと思います。
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